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帽子岳 天草市枦宇土町 502m

 山頂が帽子の形をしているので帽子岳と名が付いたのだろう。国道266号線を本渡から牛深方面へ車を走せると、前方左側に端麗な形でそびえているのが帽子岳である。帽子は洋装の一部だと思っていたが、江戸時代にもすでにあったのだろうか。というのも、帽子岳の山頂にある祠には天明、弘化などの年号が見られ、はっきりと帽子権現と刻印してある。
 さて、帽子岳に登るのはいとも簡単である。というのも山頂近くまで道路が通い、そこから山頂までは3,4百メートル。時間にしても数分だ。それでは登山家(?)としては面白くないので、下から歩いて登ろう。国道266号線、食場の信号の墓所から左折し宇土集落に入る。少々くたびれてはいるが、ここに「帽子岳登山口」という木の標柱が建っている。1.5km程行くと「山頂まで3651m」という標識が見える。ここから山道へ入る。しかし、ここら辺には駐車場がないので、少し遠いが宇土集落の入口近くにある、ショッピングセンタージャスコの駐車場を借りることにしよう。帰りに店で今夜の食材でも買えば、遠慮することもない。
 登山口からは、しばらくコンクリート舗装が続くが、すぐにダートになる。道はそれほど荒れてなく、四駆でなくても楽に登れる道だ。この道をひたすら歩く。
 500mごとに標識が建っている。ただ1箇所道路から山径に入るちょっと手前、頂上まであと600mぐらいのところをのぞいて眺望は望めない。ここからは、天草市亀川から上島あたりまで見渡せる。
 頂上まであと500mという標識をちょっと過ぎたあたりで山径へ入る。左側に4,5台停められる駐車場があり径の入口には石柱が立っている。年代を見ると弘化四年と見て取れる。ここから山径へという現代版の標識はないが、頂上へ向かう道らしく整備されているので迷うことはないだろう。車道は真直ぐ進むと、天草市枦宇土大野地区と楠浦町大平を結ぶ道に出る。この道沿いには市民の森がある。また、九州電力苓北火力発電所から九州本土へ送る50万ボルト送電線の鉄塔も数基ある。
 ここから頂上までは一息で登れる。頂上はちょっとした広場で、先ほど述べた祠が数体鎮座している。帽子岳神社という鳥居もある。眺望は例によって良くない。樹間から僅かに遠くの山が望める程度だ。樹木が覆い被さっているので、頂上に立ってスカッとする快感は得られない。ここで弁当を広げようという気分にもなれない。
 
頂上には502mの標柱があるが、地図には483mと記してある。どちらが正しいのだろうか。
 道のりは駐車個所から約5km。急坂もなく、道もいいので駐車場から1時間30分ぐらいだ。下から頂上を眺めるとずいぶん遠いようだが、登ってみるとそれほどでもない。ちょっとしたハイキング気分で登れる手ごろな山である。
               2005/12/5 初冠雪の帽子岳。